2020年の11月にディアルーナXR S110Mのティップ側の真ん中あたりを不注意で折ってしまい、調べたらティップ側#1は14,850円(税込)で、5年も使ったロッドにお金を掛けるより新しく買った方がいいということで18ディアルーナS110Mを買た経緯がある。
その時にも、一応は自分で修理できないかとググったりYouTubeを見たりして調べたのですが、以下の理由で断念しました。
- ノギスや道具も何も無いので、ロッドの折れた部分の内径も測れず芯材(インロー芯:印籠芯)が準備できない。
- ロッドを修理すると、調子が変わる。
- 修理した場所に補強の糸(スレッド)を巻いてその上にエポキシで固めると、きりたんぽのようなコブになって見っともない。←きりたんぽはさすがに盛り過ぎw
という事で、お金も無いくせにメインで使うロッドが、こう~じゃなぁ~ と(;^_^A
~時は流れてw、このオフシーズンに釣り関連のYouTube動画をみていて、たまたま折れたロッドの修理方法が目に留まり、またさらに色々調べて修理してみようという気になったw
※このロッド修理方法に関して当初は、YouTubeや他のブログにも詳しく載っているので、このブログに改めて書く積りは無かったので、詳しい経過写真などは撮らないでしまいましたm(__)m
詳しくはそちらをご覧ください。あくまで実際にやってみた注意点やポイント、上手くいかなかった点などのご参考程度、というより自身の備忘録と言った方がいいか?
※このロッドはチューブラー(中が空洞)の2ピースの物で、先の方のピース(#1)が真ん中付近より2つに折れた(折った)ものです。ソリッドタイプは別の方法になります。
※この記事では便宜上、2つに折れたティップ側の細い方をA、太い方側をB、中に入れる芯材をC、芯材の中に入れる芯材をD、芯材に使った古いロッドをEと付記します。
Contents
芯材の準備
自分で修理することを断念した理由の1に上げた芯材ですが、私がルアーロッドでは一番最初に買った、某釣具店ブランドの確か1万円ちょっとのもの使う事にしました。
このロッドも穂先を10数センチ折ってしまい、折れた所にトップガイドだけ買ってきて付けたものです。調子が別物になったのでハタハタ釣りに何回か使ったくらいで、その後は物置に眠っていたのを思い出し探したら有りました。
※ロッド補修用の芯材も販売されています。
芯材にするロッドEのガイドを外す
これはライターで温めた後すぐにカッターで削ると思ったよりも、意外に簡単?に取る事ができました。ライターで炙り過ぎてエポキシに火が付いてもw、カーボンのブランクスは意外に丈夫でなんともなかった(が、これは自己責任でw)。しかしガイドの金属が熱くなっている可能性があるので取り外す時には注意。
ガイドと止めてある糸が全部取れたら、使いそうな太さの付近に残ったエポキシをカッターの刃か刃の裏で軽くこすってきれいにします。
折れたロッドABの接合部の確認と補修
ロッドABの折れた部分を確認し、きれいな(きれいに密着できる)場合はそのままでもいいようです。
しかし、縦にひびが入っていたり、折れ口が汚い場合は少し切ってきれいにした方がいいようです。
私の場合はトップ側の真ん中付近を防波堤の角にぶつけて折ったので、折れ口が少し汚かったので、それぞれ1cmほど切り詰めました。
切る場合は、細い部分ならカッターの刃を上からロッドに押し当てて、ロッドをくるくる回すように切った方が早いようです。径が太い場合は目の細かなのこぎりで軽い力で、切った方がいいようです。私は糸鋸で切りましたがちょっと大変でした。
その後、切り口を目の細かなやすりなどに直角に当ててきれいにします。
芯材にするロッドの使う部分を切り出す
折れたロッドBの太い方から、芯材にするロッドEを突っ込んで折れた部分から軽く引っ張り出して密着したら、マジックなどで接合部分に来る場所に印を付けます。
そして一旦引き抜いて、マジックで付けた印の前後使う長さで切ります。私の場合は前後7cmにして14cmを芯材Cとしました。
そして再度ロッドBの太い方から入れて引き出してから、その先に先端の方のロッドAを差し込んでうまく接合出来るか確認します。
しかし、単純に考えるとロッドABの中で芯材Cが密着する部分は「ロッドABの強度+芯材Cの強度」になりますが、接合部分(切れ目)は「芯材Cの強度」ですよね?(;^_^A
そう考えると、20年以上?も前に買った1万円程度のなんちゃってカーボン製?のロッドCの強度では、全くもって心もとないw
ということで、芯材Cに使ったロッドEの切り落とした先端の方を、芯材Cの中に突っ込んで更に補強することにしました。長さは芯材Cより短くして真ん中の接合部分が補強出来るように。
カーボンロービング(カーボンテープ)を注文
前に修理をやらなかった理由の3に上げた、「修理した場所に補強の糸(スレッド)を巻いてその上にエポキシで固めると、太くなって見っともない」を軽減するために見つけたのがこれ。
カーボンロービングというもので、要はカーボン繊維を横に並べて軽く繋げテープ状にしたもの。
厚みは0.05mmなので薄く、カーボン繊維なので糸(スレッド)より強度がある。…たぶんw
値段が1mで198円と高くはないですが、メール便送料が265円かかります(;^_^A
幅は数種類ありましたが、私は5mmをチョイス。
芯材を入れて接着
接着剤として使ったのは100均で買ったエポキシ(万が一の時に熱で外せる可能性があるので)。
※しかし、100均(ダイソー)のはちょっと粘度が高すぎるようです。また薄め液を使うと強度が落ちるという人もいました。
先ず最初に芯材Cの中に入れる、芯材Eにエポキシを塗って、芯材Cの中に突っ込み芯材Cの完成。
それから、ロッドの太い方Bの接合部分の穴からエポキシを少し詰め込んで、芯材Dに使ったロッドEの余った先端を突っ込んでグリグリw
更に芯材Cの太い側半分にエポキシを塗って、ロッドBの太い方から差し込みましたが案の定、芯材の先端は出てきません。
YouTubeでは思いっきり振る。というのもありましたが、こんなことも有ろうかと芯材に使ったロッドEの太い方の余りを後ろから入れて、上下にカタカタと振った衝撃で出すという作戦。
ところが、芯材Cに付けたエポキシが穴の内面に付いたためか、中で思う様に動きません(/_;)
終いには後から入れたロッドEの余りも出てこなくなり、床にトントンと打ち付けてやっと取り出しました。
ロッドBの後ろから吹矢のように吹いたら、接合する部分から折角入れた結構な量のエポキシが出てきましたが、芯材Cの先端までは出て来ず。
この状態で5~10分経過してエポキシがロッドの中で固まってしまったらもう終わりです(/_;)
もうなりふり構わず道具箱などをあさって、太めの針金を見つけてそれを差し込んで何度か突っついたらようやく芯材Cの先端が出てきました。
もうスピード勝負なので、そのエポキシだらけの芯材Cの先端を指でつまんで引き出し(この時に指に付いたエポキシがロッドのあちこちに付いてしまった)、さらにエポキシを塗ってロッドの先端の方Aをハメ込みガイドの位置を真っ直ぐに調整。
その後、はみ出したエポキシをティッシュでふき取る。と、どこかの解説にあったので、そうしたらティッシュがくっ付いてボロボロと破れてロッドABのあちこちにくっつくわ、指にもくっつくわでイライラの絶頂へ。
まあ、ここは最低限ガイドが真っ直ぐになるようにくっ付けばいいと、そこだけを確認してもう放置。
こんなに焦った上にイライラしたのは久々(-_-;)
翌日まで放置してエポキシが完全に固まった状態で、前日のあちこちにくっついたティッシュとエポキシを最初にカッターである程度きれいにしてから、メラミンスポンジで完全にとりました。
仕上げに艶出し用の磨き粉?で磨いて、ようやくきれいな状態に。
カーボンロービング(カーボンテープ)を巻く
カーボンロービングは普通はスプールが付いてないようなので、指など不均一な力で引っ張ると繊維がバラける可能性があるため、予めラインの使用済みのスプールなどに端をテープで止めて巻き直し用意します。
※このカーボンロービングは薄い割にハリが結構強いです。
カーボンロービング(カーボンテープ)を巻く(1層目)
カーボンロービングの先端をスプールから少し出して、その先端部分に瞬間接着剤を薄く塗る。
その先端をロッドABの捲き始める位置に置き、指で軽く押さえ圧着。
カーボンロービングをスプールごと引っ張ってテンションを掛けながら、ロッドABを回しながら巻いていく。
巻き終わり位置まで来たらロッドABの上でカーボンロービングを指で押さえ、PEなどが切れるハサミでその先を切る。
切ったカーボンロービングの端に瞬間接着剤を塗って指で軽く押さえ圧着する。
ここで考えたのが、YouTubeなどではそのまま折り返して2層にしていましたが、それだと端が2層になるので段が大きくなるのでは?
それよりも、1層巻いてからエポキシで固めてから、それより内側の接合部付近を2層目として巻いてさらにエポキシで全体を固めた方が強度が増すし、境目がなだらかになるんじゃね?w
ということで、1層目は接合部を中心に5cm程の範囲を巻くことにした。
カーボンロービング(カーボンテープ)をエポキシで固める(1層目)
ロッドABの端を回転できるように支えを確保し、100均で買ってきた平筆(使い捨て)にエポキシを付けてロッドABを回転させながら何度か塗り重ねていきます。
YouTubeでエポキシの塗りムラはライターで温めると、粘度が落ちてある程度解消されるとのことだったので、やってみると…
なんということでしょう…
瞬間接着剤の粘着性まで落ちるんですね(;^_^A
おまけにカーボンロービングのカーボン繊維をテープ状にしていた接着剤も粘着性が失われるのか、両端がバラけて元気に?起きてしまいました。(これが無ければもっと仕上がりが綺麗になったハズ)
またカーボン繊維は逆に熱で固くなるのか?エポキシの粘着力でくっついて治らないかと思いましたが、ハリの方が強くてダメでした。
当初はロッドABに予めエポキシを塗ってから直ぐにカーボンロービングを巻けば接着剤効果でうまく巻けるかも?と思ったのですが、カーボンロービングのハリの方が強いようで、やらなくてよかったです。
1日置いてエポキシを完全に硬化させてから、カッターでカーボンロービングのバサバサを切り、サンドペーパーで少し滑らかにしました。
カーボンロービング(カーボンテープ)を巻いてエポキシで固める(2層目)
一回目と同じ要領で接合部に3cm幅ほどカーボンロービングを巻いてからエポキシは修理部全体に塗って固めて2層目で完成です。
写真では修理部分の左半分がざらついたように見えますが、光の影響のようです。(修理部分の左側の手付かずの部分もそのように見える)
またエポキシの右側の境目付近が少しこんもりして見えますが、もっと粘度の低いものを使えば、もう少しなめらかにして目立たなくできると思います。
よく見れば、凸凹していて分かりますが修理したと言わなければ、ぱっと見、多分気付かないレベルだと思います。
そもそもディアルーナXRが、ハイパワーXで外周にカーボンテープがX状に巻いてあるので凸凹した表面になっていますからねw
私自身が、どこだっけと一瞬探す。私目が悪いんでw
修理後のロッドの調子や強度は?
肝心のロッドの調子や強度はどうかと、2日置いてから実際にリールを付けて振ったり、エアワンピッチジャークをしてみても、ぼんくらな私には特に違和感はありませんでしたw
ガイドにラインを通して、下に固定してロッドを曲げて見ると、芯材を入れた修理部分がもっと直線的になるかと思ったのですが、意外にもきれいな曲線で曲がります。
これは予想以上にいい感じです。
期待していなかったが、前に修理をやらなかった理由の2に上げた、「ロッドを修理すると、調子が変わる」が心配した程でも無かった。
で、良型が掛った場合を想定して片腕で曲げて耐えれる限界付近まで曲げて行くと…
ピチッと言う小さな音が。
これはロッドに負荷を掛けたら芯材の入った部分も曲がったので、芯材C自体を補強したにも関わらずまだ柔らかかったためか?エポキシにひびが入りました(;^_^A
エポキシにひびが入った後も上記の曲げたりをやってみたので、これでも芯材がズレたり抜けたりしない限り実釣でも大丈夫だとは思います。…?(芯材Cを補強しておいてよかった)
もう今はやり直す気にはならないので、瞬間接着剤をヒビに流し込んで様子を見ます。
新たに購入した物がカーボンロービングとエポキシで600円弱、今まで全く使えない状態のものが、一応使えるレベルになったので良しとします(^^)v
このロッドは予備として取って置くが、当分使わないかも……(;^_^A
まとめ・反省点など
- 芯材Cの接合部に当る所だけは接着も含めて、もっと固くてもいいかも知れません。
- 芯材Cを折れたロッドBの後方から入れる場合は、予め押し出すための長い棒などを準備するw
- エポキシは100均(ダイソー)でなく、もう少し粘度の低いものを使う。
- エポキシでコーティングして塗りムラを解消する場合は温め過ぎない。
- 接合部には別のもっと強力な接着剤を使う。
- そもそも修理した場所が曲がるのであれば、エポキシは固くなるので曲がる場所への広範囲での使用には不向き。
- 瞬間接着剤も温めると粘着性が失われるw
PS.ジグ40gのフルキャストと、サゴシ約50cmの抜き上げの使用では全く問題ありませんでした。