釣りに使う「イサダ」ってなに?

ここ山形県庄内地方で釣りに使う「イサダ」とは、砂浜の波打ち際に生息しているエビやアミのような形をした大きくとも体長1~1.5cmほどの生物です。

よく釣りをする人は「イサダ」という言葉自体は、耳にしたことがあるかと思いますが、実際に使ったことが無い人にはお目にかかる機会も少ないのではないでしょうか?

※波打ち際を歩くとよく目にするピョンピョンと跳ねている「ハマトビムシ」とは違います。

ネットで「イサダ」を調べると、三陸沖で漁として捕れるイサダが有名なようですが、写真をみると違うもののようです。(ツノナシオキアミ:これは食用としても流通しているようですが、南極海に生息するナンキョクオキアミと同様にオキアミとして釣りにも使われる)

北海道でもイサダという呼び名で庄内と同じものを釣りに使っているようです。

しかし、個人ブログなどでの紹介はあるものの、正体の明確な答えは見つかりませんでした(;^_^A

 

2022.7.22追記
下記の旧 国立研究開発法人 水産研究・教育機構のサイトに研究文?の残骸を発見しました。
新しく「国立研究開発法人水産研究・教育機構」のサイトが有りますが同じ文面が見つけられませんでした。
このページがいつまで残っているか分かりませんが、一応リンクを張っておきます。読むと生態などが分かりイサダを獲る時の参考にもなると思います。
波打ち際にすむアミ」高橋一生(Kazutaka Takahashi

※多分これに書いてあるのと同じだと思うので、正体は「アルケオミシス属の仲間で、コクボフクロアミ(Archaeomysis kokuboi)」ということでw
…念のため検索したら微妙に違うものもいるようなので「フクロアミ」と言っておけば間違いないようですが?(アルケオミシスで検索すると類似の写真が出てきます)

釣りに使うイサダ(生かしたまま撒き餌と、付けエサに使う)
イサダ

▲上の写真の右上のが形が分かりやすいですね(イサダ捕りをしていた人に写真を撮らせてもらいました。が、小石などが入るとそのままでは撒き餌としては使えないですね(;^_^A)

ハサミが無いのでエビというよりはアミの種類に近いと思われますが、体の形は逆にアミよりエビに近い感じですね?

イサダの捕り方(イサダ掬い)

▲イサダは砂浜の波打ち際に生息していて、波がくると海中に出て、波が引くときには流されないように砂に潜ります。

捕り方としては引き波の時に、網を入れて海水が網の中を通り抜けるようにします。引き波の時にイサダは砂に潜るので、足で網の前の砂を掘り返すようにすると効率よく捕れます。

写真の人の網は既製品を使っているようですが、以前は下は網ですが竹製で、ちょうど塵取りの上に持ち手のついたような形のものを使っていました。

※私も、自作の網を使ってイサダを獲ってアジ釣りなどをしたことがありますが、イサダを獲る場所と釣り場が違うし、当時は面倒で数回しかやらないで終わりました(;^_^A

イサダのカゴ

▲イサダは生かして使うので、上の写真のような通気性の良い籠に少し湿った砂を入れて、それにイサダを入れて混ぜます。

釣りの撒き餌としては多分、最強!(笑)

砂と一緒に播くと、イサダは海中をピョンピョンとエビのように跳ねて逃げまどい、波動が出ます

近くにいる魚を集めるとともに活性(食い)も高めるものと思われます。

庄内では、春の海タナゴ釣り、アジ釣りの撒き餌&付けエサとして人気です。
というか、自分がオキアミなどで釣りをしていて、後から近くでイサダを播かれると自分が釣れなくなる、と言うほど集魚効果が高い。

しかも、撒き餌と付け餌セットで使うので、エサ代0円(笑)
・・・その分イサダ網の代金(初期投資)と捕る手間がかかりますが(;^_^A

※イサダは早春から晩春にかけては良く獲れますが、その後はサイズが小さくなって(付けエサとして使えなくなる)数も減ってくるようです。

また、どこで見たのか忘れましたが、加茂水族館の前館長が船釣りでも、最初に10分程度イサダを播いて魚を集めてから竿を入れるようなことを聞いた記憶があります。

イサダはデリケートで生かしておくのが難しく、砂の水分(海水)は、湿っているが砂同士が団子状にはかたまらずにサラサラの感じです(上の竹製のカゴの写真くらい)。水分が多すぎたり、乾燥すると直ぐに死んでしまいます。

ですからイサダを捕るのは釣り当日か、釣りが早朝なら前日の夕方がおすすめです。(死んだら効果激減です)

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